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2011.08.28

五ヶ月と二週間

知人である小笠原学さんが、2011年8月27日にtwitterにツイートされた文章を読んだとき、もっと多くの方に伝えたいと思いました。小笠原さんにご了解を得て転載させていただきます。

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【五ヶ月と二週間】

去る8/24にようやく実家のある仙台に赴き、そこで見て聞いて感じた事をこの場を借りて書いてみようと思います。自分の中に留めておくには重すぎて…何かを提案しようとか問題提起しようなどとは微塵も思っていません。ただ自分の目で確かめた事を伝え、吐き出したかっただけです。興味のない方や長文ダメな方ごめんなさい。

3.11から五ヶ月余り。実家のある地域は幸いな事に比較的被害も少なく、近くにある神社の燈籠が崩れたくらい。つくづく幸運だったんだなぁと、この後見る事になる被災地の現状を思い改めて感謝。ガスの復旧は一ヶ月程掛かったようだが、水道はすぐになんの問題もなく使え、電気も約一週間で復旧した地域…にも関わらず、食料と燃料はほとんど手に入らなかったと吐露する両親。70を過ぎた老人が食料品店まで一時間歩いて三時間並び米1kgを売ってもらう日々だったらしい。知らせてくれたら東京から送ったのに…と思うも、当時の物流の混乱振りを振り返ればそれも難しかったのだろうか、と。

そんな話を聞きながらとりあえず最初の目的地である仙台港へ向け出発。道すがら震災の痕跡も多少はあれど、市内はいたって平穏で「もうあらかた落ち着いたのかな?」と思いつつ仙台港一帯へ入った途端、津波の爪痕が突然あらわれる。

大きな倉庫や店舗・工場などがその形を歪めながら立ち並ぶ。地面から6~7mくらいまで柱を残しスッポリ消えている様も、広大な敷地に積み重ねられた途方も無い台数のひしゃげた車も「まだまだ予想の範囲内」と、なんとか心を落ち着かせる。

そのまま仙台港から日本三景松島へ。このあたりはまさに「松島」が自然の防波堤となり比較的被害も少なかった模様。八月も終わりとは言え、観光地なのでいつもなら賑わっているであろう土産物屋も見たところ1/3くらいしか営業しておらず、閉まってる店の丁度ドアノブの辺り(120cmくらい?)に一本の筋があり「ここまで海水が来ました」との張り紙。

その足で岸壁から重要文化財の「五大堂」への橋を渡ると、今度は驚く程の無傷っぷり!歴史ってのはそういう事なのかなぁ…との感慨も浮かぶ。近くの国宝「瑞巌寺」もまったく平然としていて、ホントに震災にあったの?と思うくらい。

そんな松島を後にして、石巻へ向かう途中、震災当日NHKがヘリで中継していた「田園の中の一本道を走る白い車に、恐ろしいスピードで襲いかかる津波」がはっきりと記憶に焼き付いている道路にさしかかる。何kmも先の遥か遠くに松林。その向こうから襲いかかってきた濁流。「いまここで同じ地震が起こったら、どこへ逃げよう」等と考えながら車を走らせる恐怖。どこへも逃げられやしない。道路はこの一本しか無い。

そして本来なら収穫の時期を迎え黄金色であったであろう田んぼは、そのほとんどが茶色く枯れ果てて、なんとも言えないやるせなさを感じる。

ここまで大した渋滞にも巻き込まれず、時おりすれ違う自衛隊の車両に頼もしさを感じつつ、順調に石巻を目指していたのだが、どこからだったのか道路が尋常じゃないほど凸凹な事に気づく。まっすぐな道なのによく見ると土地自体が歪んでいる。更に衝撃を受けたのはローカル線のJR仙石線と並行して走る道から見た線路。軌道のすぐ脇が海。あり得ないくらい近い海岸線。唖然。ちょっとでも大きな波がきたら、電車ごと持っていかれそうなとこに線路。そして道路の至る所に「冠水注意」の立て看板。海水の冠水だ。

言葉も無いまま石巻へと入る。沈黙の商店街。シャッターさえも破壊されたままのアーケード街。見渡す限り処理しきれていないありえない量の泥の壁。無数にある工事中の看板。消えたままの信号が目立ち、それと同じくらい大勢の警官による誘導。五ヶ月もたってるのに…というのはよそ者の視点だからなのだろうか。

更に橋を渡り変わり果てた「石ノ森萬画館」へ。



教会の脇に打ち上げられたままのボート。



かつては川沿いの遊歩道だったとこにまで海面が及んできてる。



向こうに見える橋もかつて海面と橋の間隔がもっとあったはずだ。先ほどの線路もこれも全て「地盤沈下」によるもの。「どうするんだよ、どうなるんだよコレ…」と愕然。目算で1~2mほど海岸線が上がっている気がする。



冠水注意の道路は舗装し直したのだろう。元々の道路から恐らく20~30cm程度アスファルトが盛られ、そのまま両脇の民家・歩道へと下りるアスファルトの勾配。「これで終わりにするつもりなのか?」という思いと焦りがよぎる。

石巻を後に女川へ。海岸沿いの道が開けた…と思ったらあまりにも開け過ぎ。なんにも無い。かつてそこにあったであろう建物、住居がなにも無い。平坦な土地に建物の基礎のみが目の前に広がる。かと思うと目の錯覚のような四階建てくらいのビルディングを見つける。非常階段の位置が変だなぁと思ったら、なんと横倒しになっていたのだ(!)





息を飲みながら恐る恐る進むと、突然舗装路が無くなり慌てて脇道へ。と言ってもホントに道しかない。

上り坂を見つけたので登ってみたらそこは病院。海抜20mくらいか?どうやらここにまで津波は到達したらしい。そこに立ってみるととてもじゃないけど津波がここまでやってくるとは思えない。まるで作り話のようで俄には信じられないが、だがしかし津波の痕跡はこの病院の至る所に今もそのまま残されている。



そこから見た景色がコレ。





かつてあった建物の基礎だけが整然と並ぶ何も無い更地。ここに至って心が折れた。言葉なんか出なかったし、なにもかも想像する事すら辛かった。

「がんばろう!」なんて言葉が空しく響く…やりきれなさというか。映像等で見たつもりでも、いざ目の前に広がる「途方も無い現状」を見せつけられると、己の無力さを再確認してしまうという…そんな道中。でもね、当たり前だけど現地の人達は頑張ってる。人は凄い。本当に。

今回訪れた一日のほんの断片を伝えようとするだけでもこれだけの文量になるほど、いろんなものを見、いろんな事を思った。とてもじゃないけど全てを伝えきれない。一番の悲劇は失った人命。俺ごときが察するに余りある。辛かったでしょう悔しかったでしょうと一緒に涙するしか出来ない。すまん。

そしてあの被災地の惨状はあのまま受け入れるしか無いのだろう。建物や家は、そして仕事も生活も政府や民間の支援がしっかりしてくれさえすれば、どうにかなるかもしれない。

でも本当に深刻なのは「地盤沈下」のような気がしてならない。これホントもうどうしようもないんじゃないか?沈んでしまった土地を、どうやったら元に戻せるんだろ?これ誰が悪いわけでもない。そして地震は必ずまたおこるだろう。津波もまた来るかもしれない。甚大な被害がまた起こる可能性がすぐ目の前にある現実にクラクラして。なんか…もうホント泣きそうだった。

そして俺がこの日見て回ったのは今回の震災による被害の本当に一部。そんなほんの一部分でしかないという事も「心折れた」理由の一つだったりしてる。地震や津波だけじゃないし原発だけでもない。多くの地域の大勢の人々、それぞれ一人一人の人生がメチャクチャになってる現実と、それを唖然と見ているしか出来ない自分の無力感に涙した。

だけどね、道中で見かけた中学校では、狭くなってしまった校庭でヨサコイの練習を一生懸命やっていたよ。ヤツらはみな希望を捨てちゃいない。
俺らはその希望の背中を押してあげられるよう、継続して支援出来るよう、今の自分をしっかり生きないといけないんだよ。(小笠原学)

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小笠原学さんのtwitterのURLです。
http://twitter.com/manabooster


伊藤の個人的Blogは、今日はお休みさせていただきます。

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